人の心の色もずっと同じではないのだと思います。主人公の心をこそ反映したものが色なのであって、相手の色はいつも無色なのかもしれない。そうであってもなくても、色のついた心は、読者にとって想像するだけで楽しい。ましてや、一生のあいだに心にとどまる異性の色とあっては。読み方によっては、ただ一人の「さがらまこと」くんをだけ見ているという読みもできると思います。キャンバスに乗せる絵の具は、読者の自由に——そんなふうに書かれているのかもしれないな、とわがまま勝手に読みました。