とても抒情的な作品です。
君と僕のあわいに生じていく、
恋情のずれのようなものを、
雨や海や波が包み込んでいく、
その物語性が心に響きました。
7首目。
美しい瞳は僕を見ていない 変わらぬ君は幻を育む
歳月が過ぎたことで、
互いに対する幻想が生まれ、
二人の境界線がどんどん離れていくようで、
切なくも美しい1首になっています。
どこかモノクロ映画を観ているような静寂が、
じりじりと、ひりひりと、
心の奥にまで染みてくる、
恋の儚さを繊細な筆致で描き上げた短歌集だと思いました。
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