【第三部・クズ伯爵は謝罪できるのか】転生薄幸令嬢の奇妙な愛人契約――イケオジパトロンか富豪貴族か――えっ二股愛人ですと?

赤城ハルナ

【第一部】転生薄幸令嬢アイラ・サウスの脱出

【プロローグ】悲劇のはじまり

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★架空の世界です。あの国とかあの国に思えるかもしれませんが気のせいです。

★クズが織りなすラブコメです。表ボス裏ボス巻き込まれクズ……色々です。

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 王族と貴族の権利が縮小され、生き残った地主貴族は土地税を課せられ、王宮関連の仕事を失った土地を持たない名ばかり貴族はエリート知識層か士官になるか商売をはじめるか、でなければ平民の金持ちと結婚するか貴族籍を売るか……。

 それとは反対に中産階級の資本家が幅を利かせ、隣国では打倒王政を叫んだクーデターが起き、騎士団は絶滅危惧種となって久しい、そんな世界のごく些末(さまつ)な出来事。



 二年前――アン女王治世歴二十四年、某国貴族界を揺るがす事件が起きた。


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『伯爵家決闘事件』


去る八月二十六日午後、ヴェストル伯爵とカレドニア伯爵が、タンディーゴルフ場の林で決闘騒動を起こした。一週間後ヴェストル伯爵は胸に負った傷が元で死亡、決闘に勝利したカレドニア伯爵は哀悼の意を示している。

禁止されている決闘を引き起こした両家に対し、貴族議会は近々非難決議を表明する予定だ。

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――ヴェストル伯爵領・湖陵館


「一体何をしでかしたのですか、夫は!

 無理矢理わたくしを奪って縛り付けておきながら、最後まで迷惑をかけるなんて! あぁ、何て酷い人! わたくしは湖陵館に引きこもりますわ、二度と首都へは行きません!」


「歴史ある伯爵家がこんなスキャンダルの的になってしまうなんて……もう社交界に顔を出せないではありませんか。わたくしはお祖父様が残した別荘で引退生活をします。ジェシー、後は頼みましたよ……」


「待ってください、お母様、お祖母様……私をひとりにしないでください! これからどうすればいいんですか!?」




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【カレドニア伯ノルド家ⅤSヴェストル伯ウエスト家 決闘の行方!】

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――首都の某出版社


「カレドニア伯爵とヴェストル伯爵の決闘事件を全員で全力取材!」

「「「かしこまりましたぁ!」」」


「セレーナ、タンディーゴルフ場へ!」

「ガッテン!」

「フリップ、警察へ!」

「ぼくは……遠慮します」

「おや、何を遠慮するのです?」

「スキャンダルなど興味もありません。書籍部なので」

「フリップ、君はケチですねぇ」


 週刊誌『セカオピ』を世に出してから初の大スキャンダルに、僕は大興奮していた。この波に乗れば週刊誌はバカ売れだろうし、出版社を興すために義父から借りた設立・設備資金も間もなく返せるだろう。

 借金は早めに返したいからね。


 僕の輝かしい未来はスタートしたばかりなのだ。




――首都のサウス男爵邸


「ほらほらこっちよ。ここまで走って来れるかな、わたしの可愛いアイラ。今度は飛び跳ねてみて……そう、そんな感じ」

「あ~、あ~」

「今日はここまでにしましょう。このお人形はあなたのお誕生日プレゼントよ、お友だちだと思って一生大事にしてね」

「あ~、あ~」


「だいぶ普通に生活できるようになりましたね、奥様」

「ありがとう、ライオネル。侍女と護衛さえいれば問題なく暮らせるようにしたいわ」

「心得てございます」


「私の愛するアイラ、一生守ってあげるよ。だから、父さんは絶対死なない」

「あ~、あ~」


 虚ろな目の少女は、『あ〜』としか言うことができなかった。




 二年後の今――アン女王治世歴二十六年六月、サウス男爵家馬車事故直後のタンディー地主家


「兄さん、夏のあいだだけちょっと臨時の仕事に行くことにしたから」

「はぁ? メンバーズクラブの管理はどうするんだ。今年からお前に任せたはずだぞ」

「ずっと働き詰めだったから疲れちゃったよ。人使いが荒すぎるよ」

「だったら週何日かだけでもやりなさい、経営の勉強だと思って。そのために学校へもやったろう?」

「もう決めたし、先方から頼まれたんだ。すごく楽そうな仕事だよ」

「マテ、どこで働くんだ?」

「サウス家」

「まさか、使用人の真似事か? あり得ないだろう、そんな底辺の仕事!」

「そうじゃないよ」



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☞三角関係(四角関係の可能性アリ)因縁のはじまりでした。

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