昨今は、日本が「内向化」して久しい。というより、海外にわたる大人、そして子どもたちが減っている。それもそうだ、少子化が劇的に進行しすぎている。果敢に世の中に立ち向かう、悪と戦う、勇気をふりしぼって前に進む。この主人公に見られる「誰をも欺いても」正義を貫く。そういった人が減っている。そんな時代、世相の印象だ。
作者は、時代を「切り取って」後世に歴史を伝える役割を果たす。今の社会は、過去の積み重ねにある。偉人を伝えるのは、後世の人間の定めであり、それぞれの時代を斬る人々は、その過去を自在に操る。その中にも、それぞれの時代の「確かな二人の目線」(シャルルとジャンヌ、キャクストンとナポレオン)があることが、この作品を輝かせているのではないか。
壮大なスケールの歴史やその時代に生きた人々の生き様に向き合うことで、今の時代につなげることの大切さを伝える秀作。高みに届くようにと期待したい。