第2話 僕の頭の中で

 西暦2026年 9月 7日 それは起こった。


【地球ロック・ダウン】


日付が回った瞬間。目を覚ましていたのは、政府のAIと僕だけだった。その時僕は寝る前の快楽ドーパミン摂取をしていた。忘れもしないあの音声。


『夜の声が 耳を掠め 星の残り香が漂う時間はゆっくり流れ私はただ空を見上げる a』


 僕には理解ができなかった。突如取り上げられた快楽ドーパミン。半殺しにされた気分だ。いや、事実そうである。


翌朝、いつもより三時間も早く、そして、いつもの500倍長く感じる通学を終え、部室に忍び込んだ。


 僕の学校は化学にめっぽう強い国立校なのにも関わらず、門番は寝坊してくるし、鍵は、手を伸ば取れる。

監視カメラは——、僕のスキルにかかればハッキングなんて、アンパンマンのパソコンからでも出来る。


そう。

僕は国に認められた天才(天災)高大一貫校生、可也かなり 飽経ほうけその人である。(デデドン)


部室には、かつて僕が作った、ドーパミン摘出機がある。それさえ手に入れば僕の脳に敵うコンピュータも、人間もいない。


 チェーンで厳重に縛られた金庫を慎重に開ける。


ここからはスピード勝負だ。金庫が無断で開けられると学校中に警報が鳴り響き、ロボット警備員に電気銃テーザー・ガンを浴びせられる。


慎重に、そして豪快に金庫を破った。凄まじい警報が響いた。まぁ別にいつものことだけど、痛いのは嫌なので、すぐにドーパミン摘出機を接続し、頭に快楽の嵐を注ぎ込んだ。


この瞬間、平凡な飽経は消え、

IQ 8101919114514の天才が現れた。

ミッションはWi-Fiの奪還。方法はタイムマシンの制作だ。


工作開始!頭にはかつて2倍速で見たアベンジャーズのタイムマシン、ジュールベルヌの聞き流しが過ぎる。

残像で阿修羅の様に見える体を動かして、着々とタイムマシンは完成に近づく。

完成した。

予備電源を差し、学校の電力も接続し、ついに過去への扉が開く。

 身分証、発明品を詰め込み、過去へと送る。僕自身が飛び込もうとしたその瞬間、扉が消えてしまった。

 ブレーカーが落ち、電気を切断されてしまった。もう部室の外には警備ロボットがたむろしている。


しかしドーパミンIQ8101919114514の僕は恐れず、あえてドアを全開にしてロボットを迎えた。

凄まじい勢いで部屋を駆けずり出した。


僕は、自作の磁力チェンジャーで華麗にテーザー銃を避け、逆に縛りつけてやった。


そのままタイムマシンの電力供給ポートに差し込んだ!ちょうど一人が通れる程度の扉ができた。迷いなく僕は過去へと旅立った。

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