いや、本当に。
読み始めたはずなのに、いつの間にか階段とエスカレーターについて真剣に考えさせられていました。
「お前にも段差はない。」
……いや、あるでしょ。
そう思っていたはずなのに、読み終わる頃には「もしかして段差って何なんだ?」と考えている自分がいて笑いました。
意味が分かりそうで分からない。
でも、不思議と最後まで読んでしまう。
ツッコミどころ満載なのに、それすら作品の魅力になっているのがすごいです。
気づけば、かき氷を一気に食べた時みたいに頭がキーン。
こんな人におすすめ!
* 「何これ(笑)」とツッコミながら読むのが好きな人
* シュールな会話劇が好きな人
* 言葉遊びや発想に「なるほど……いや、やっぱ分からん!」となるのが好きな人
* 読み終えたあとも、しばらく作品について考えてしまう人
読後に残った感想は一つだけ。
「……結局、段差って何?」
本作は、何気ない日常の風景を切り取ったような、しかし非常に繊細で心温まる青春ラブコメディです。
この作品の最大の魅力は、なんといっても登場人物たちの間で繰り広げられる「会話劇」のセンスの良さにあります。テンポが良く、時にはクスッと笑えるような掛け合いが続くため、読者はあっという間に物語の世界に引き込まれてしまいます。
また、少し独特な感性を持つキャラクターと、それに振り回されながらもどこか楽しんでいるもう一人のキャラクターの心理描写が絶妙です。言葉の端々に隠された本音や、徐々に変化していく二人の距離感がとても丁寧に描かれており、読んでいるこちらまでドキドキさせられます。
一見すると意味のないようなやり取りが、物語の終盤に向けてしっかりと意味を持ち、美しい着地点へと向かう構成力は見事としか言いようがありません。読了後には、爽やかな余韻と、どこか甘酸っぱい気持ちが心に残ります。
青春ラブコメが好きな方、日常の中に潜むちょっとしたロマンチックな展開を味わいたい方に、自信を持っておすすめできる一冊です。ぜひ、彼らの紡ぐ言葉の魔法に触れてみてください!