この作品の魅力は、とにかく自由すぎる将棋バトルの面白さと、その奥にある棋士たちの熱い物語を、同時に楽しめるところだと思います。
史上唯一の十三段位を持つ老棋士・佐竹五三郎と、闇将棋界の異端児・下総スコルピオン信雄が挑む「外法獄盤将棋」では、普通の将棋では考えられない技が次々と飛び出します。中でも、頭皮の脂で盤上の駒を滑らせる「脂滑走盤」はかなり強烈でした。
一方で、単なる奇抜な将棋ギャグではなく、物語が進むにつれて、棋士が一局に何を残すのか、そしてそれを次の世代へどう受け継いでいくのかという芯が見えてきます。
表面的には何でもありの将棋バトルとして笑えて、その奥にはしっかりと熱い物語がある。勢いのあるギャグと、最後にきちんと心へ残る物語が好きな方にはおすすめしたい作品です。