好きな作品が、別の作品の中に登場すると、なんだか嬉しいじゃないですか。
それが惜しみなく押し寄せてきます。むしろ「ほらほら、この作品好きだよね?」ってくらいの勢いで見せにきてくれます。
でもそれが不快じゃないのは、ただネタとして消化するのではなく、作品の武器としてきちんと調理されているからではないでしょうか。それに、作者さんのリスペクトも感じます。ちょっと、毒の利いてることろもありますが、それもまた愛でしょう。
某警部補のドラマのオマージュもクオリティが高く、ファンとしては思わず笑ってしまいました。もちろんただのコメディとしてのオマージュではなく、見事な倒叙ミステリーになっているのも見どころです。
超能力があるのだからなんでもありになりそうなのに、全然なんでもありじゃない。まるでトリックを解くように、超能力犯罪も紐解かれます。
緊張感とコメディタッチな空気の切り替えもバランスよく、テンポよく展開していくので、まさに「事件がッ!解決するまで!読むのをやめられないッ!」といった感じです。
続き、本当に期待してます。
読んでいて一番面白かったのは、超能力を題材にしながら、本格ミステリとして成立させているところでした。
夢の中で殺すと現実でも死ぬという能力は強烈ですが、ルールがしっかり決まっているので「いわゆる何でもあり」にならず、密室殺人の謎にも納得感があります。
前半はシリアスなのに、新町古都子が登場してから一気に空気が変わるのも良かったです。
あの独特な会話には何度も笑わされました。
それでいて、終盤になると彼女の言動がちゃんと伏線になっていて、なるほどと思わされる場面も多かったです。
ラストも綺麗にまとまっていて、事件が解決しただけでは終わらない後味の悪さが、この作品らしくて印象に残りました。
最後まで夢中で読める作品だと思います。