あんまり使わないIDとパスワードって忘れますよね。
IT系企業に勤めていると、パスワードは紙に書くな、メモ帳アプリに書くなと指示され、パスワードマネージャーアプリに登録させられるのですが(でもなんだかんだ付箋でパスワード書いて貼ってるひとは一人くらいいる)、普通はそうじゃない。
紛失しますよね。それで「パスワードを忘れた方はこちら」で、登録したメールアドレスやら電話番号を要求されて、「……なんだっけ?」と固まりますよね。
話しがそれにそれましたが、本作はそんな、「あるある~」を軽快な筆致で描かれた物語。しかもこの作品はアプリで「パスワードを忘れた方」へは行けず、「三日以内に事務所」に行かないといけないので必死度倍増しな状況。
パスワードの書かれている紙はどこ?
部屋中散らかし、途中で別のものに意識がそれてしまうのもあるあるで、クスッと笑いが誘われます。見つかったかどうかはぜひ、お手に取って確認ください。
おすすめです。
作品を読んでいて、「あるある!」と何度もうなずいてしまいました。
主人公の必死さは笑えるのに、なぜか他人事に思えなくて応援したくなります。特にカレーパンを食べながら容赦なくツッコむ友達がすごく好きです。あの淡々とした距離感が絶妙で、二人の空気感を自然に作っている気がしました。
そして、まさかの場所で探し物と再会する場面は思わずニヤリ。何気ない日常をここまで面白い物語にできる感性が素敵です。身近な出来事なのに最後まで引き込まれ、「自分ならどこにしまっただろう」と考えながら読めました。この先もこんなクスッと笑えて共感できる出来事が待っているのでは、と続きを読みたくなる一作でした。
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