川辺で拾った透明な石が、茉琴のオカリナに応える瞬間から物語は静かに動き出す。
器のひびや水の異変を“音”で感じ取る彼女の感性は、皇子・遥人との出会いを通して、村の井戸水の不調から皇都全体の問題へと繋がっていく。
迷信と笑う官僚たち、消された記録、隠された病人──
茉琴は職人や子どもたちと力を合わせ、音だけに頼らず台帳や図面を積み重ねて真実へ迫る。
その姿は、身分を越えて国を支える名もなき人々の強さそのもの。
やがて生まれる“硝子の雪”は、水を救う希望の灯り。
恋と仕事、故郷と皇都──
茉琴が選ぶ未来を見届けたくなる、温かくて少し笑える宮廷恋愛物語。