お江戸情緒溢れる語りで始まるのは
寄席での小噺。
蝋燭問屋の店先に入って来た油売りの青年。
贔屓の問屋の女主人から、何か珍しい譚は
ないかと請われ
話し始めたのは 世にも奇妙な 怪談。
油売りだけに世の往来にて様々な譚を聴く
彼が語る 上州の油問屋で飼われていた
古猫の怪異譚…。
流石の筆致と博覧強記に思わず唸る。
真夏の怪談とは、まさに こういう譚 を
云うのだろう。思わず引き込まれて
いつの間にか森閑とした心持ちを得る。
怖い怪談ではなく、不思議なはなし。
そして何処か懐かしい 夏の風情 を思い
出すのだ。
幼い頃に聴いた、端正な 怪談 を。
そして行った事のない 江戸の町並み を。
思わず息を呑み、震える。
是非ともご覧あれ。