最初は本当に親切なご近所さんだと思って読んでいたのですが、話が進むにつれて、その親切さが少しずつ怖くなっていきました。
特に怖いのは、露骨に敵意を向けてくるわけではないところです。むしろ優しく接してくれるからこそ、「この人たちは何を考えているんだろう」と気になってしまう。
主人公が感じる小さな違和感と、近所の人たちがその家族について何も話そうとしないことが重なって、少しずつ逃げ場がなくなっていく感じが印象的でした。
怪談のような「何かが出てくる怖さ」とは違って、日常のすぐ隣にある人間関係そのものが怖くなっていく作品だと思います。
自分も怪談やモキュメンタリーが好きで、最近このようなホラーを書き始めたので、読者として楽しみながら、怖さの作り方という意味でもとても興味深く読ませてもらいました。