この物語で特に象徴的なのは、ラディとリリ、二人の関係性です。
ラディは長い年月を生き、怪我を負い、夢を一度諦めた人間でありながら、リリと出会うことで再び前へ進む力を得ていきます。
一方のリリも、最初は恩返しをしたい少女だったものが、やがて自分の足で未来を切り拓く商人へと成長していく。
特に良いのは、二人はどちらかが一方的に救うのではなく、お互いの存在によって支え合う形に変化していくところです。
見守るだけの対象であったリリが、いつの間にかラディにとって背中を押してくれる大切な存在になっていく流れは、歳の差という設定をいかした絶妙な関係性を描いておりました。
この先を見ていたい物語ですが(コンテストの文字制限もあり?)、ここで終わることでいい余韻を残していると感じました。
海辺の寂れた町に帰ってきた「元」王国騎士ラディ。
全盛期を過ぎた男(41)の哀愁を感じます。年齢設定の絶妙さも良い!
それでもなお失われていない強さが同居している姿がとにかく格好良かったです。
夢よりも家族の安心を優先して剣を執り続けた過去。
その渋さに、日々頑張っている世のお父さん、お母さんたちの姿が重なる気がします。
そこに現れるヒロイン・リリの真っ直ぐさが魅力的。
過去に救われたというエピソードは王道。
でもそこから、思春期特有の恋に恋するだけじゃなくて、自分の足で立とうとする芯の強さがある。
媚びない恩返し娘というのが新鮮でした。
隊商の護衛として世界を旅するという夢を諦めきれないラディが、エピソードが進むとそんなリリに惹かれていく——建前や立場を全部取っ払った、剥き出しの感情の揺れ方に思わずキュンでした。
※物語はこれから、どうなるか分かりませんが。
イケオジと押しかけ娘、王道なのにちゃんと新しい。
強制再起動。
リブートしたオジさん、最強です!