創作の世界は、はっきり言えば「人殺し」に溢れかえっています。
宿命の敵との決戦、大悪党の成敗、咄嗟に或いはそうせざるを得なかった正当防衛、復讐の完遂、ネームドキャラに瞬殺される雑兵たち、理不尽の前に犠牲となる無力な人々。
殺す側と殺される側のキャラがどこまで作り込まれたものかに差異はあり、その死に様がどういうものかは色々あるでしょう。
しかし、戦いというものを描いたら、そりゃあもう殺し殺されがそこら中でバンバンあってもおかしくない。
そして、作者はネームドからモブキャラに至るまで、好きなように生き死にを決定できます。
だからこそ、キャラクターにどういう「人殺し」をさせるか―――物語と登場人物に厚みを持たせる上で、大切なことを説いた創作論だと感じました。
タイトルを見たときは、「命を奪う」という重いテーマだけに、少し身構えてしまいました。
でも読み進めると、それは単なる善悪の話ではなく、「物語を描く責任」や「キャラクターを生かすこと」について真剣に向き合った内容だと感じました。
創作では、ときに登場人物の命が物語を大きく動かすことがあります。
けれど、その一人ひとりにも人生があり、想いがあり、読者にとっては大切な存在です。
だからこそ、「命を奪う」という展開には、それだけの意味が必要なのだと改めて考えさせられました。
ぼくも探偵として事件に向き合うときは、「誰が犯人か」だけではなく、「なぜそうなったのか」を大切にしています。
このエッセイもまた、結果だけではなく、その過程や作者の覚悟に目を向けさせてくれる内容でした。
明智先生!
物語の中の命は架空のものかもしれません。
でも、読者の心に生きたキャラクターだからこそ、その一つひとつの選択には重みがあるんですね。
創作について改めて考えるきっかけを与えてくれる、読み応えのあるエッセイでした。
※少年探偵団・小林少年構文でレビューしてみました。