第3話 サイパン上陸
この六月十五日は、特別な日であった。同日にアメリカ軍は、アメリカ諸島のサイパンに米軍の海兵隊が上陸したのだ。サイパンはB29にとって重要な場所である。同日に最初の空襲を合わせて始めたのは、日本にB29の戦略を匂わす意味もあった。
サイパンは日本でも絶対国防圏と設定され、死守を厳命されていたが、意外と簡単に堕ちた。しかも陸軍上層部は一人も現地サイパンで指揮を取らず、陥落の原因の調査もせず責任さえ取らなかった。さすがに東条内閣は総辞職したが自発的なものでなく、圧力による辞職だった。
想定外が許されたのは、日本の指導者に対する甘いそんたくが働いたからだが事態は深刻だった。日本の危機は、すぐそこまで迫っていた。
アメリカはサイパンを占領すると、すぐにとてつもなく大きな滑走路の建設を始める。目的は言うまでもなくB29の基地である。日本常套文句の、“想定外の速さ”で建設された。アメリカは占領したマリアナ諸島、グアム・テニアン両島にも滑走路を建設して計九本まで増設した。
1945年になると、本格的に日本への空襲を開始する。日本の想定を上回るスピードでの大編成の大空襲である。日本は三月以降、無差別爆撃を受けていく。
日本軍のバケツリレーで対抗しようとしてできなかったのは前述した。それでも日本は、なんとか空襲の被害を減らそうと探求した。そして電波班から有効に防げる情報が入る。
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