寿命を削られ勇者に改造された主人公が、世界よりも兄妹の幸せを優先しようとする姿が切なくて愛おしい。推し活のように兄と妹を記録する日々を邪魔する聖剣と女神のしつこさが、理不尽なのにどこか笑えてくる。何度折っても蘇る聖剣、兄へ伸びる魔の手――そのたびに主人公の怒りと焦りが増していき、物語は一気に加速する。守りたいだけなのに余計なフラグが立ちまくるジレンマが面白く、強化人間の苦いユーモアが光る一作。