大陸王プリニウスの急逝――貴族院が発表した死因は「心臓発作」。
だが、真実を聞き出す特殊な法力を持つ青年ジンは、姫コーデリアからの依頼で王の伝記作成に協力するうち、歴史の随所に拭えない違和感を覚えていく。
火葬を急ぐ貴族院。
意図的に消された記録。
語られなかった大陸戦争の真相。
英雄プリニウスの死は本当に病死だったのか――その疑念はやがて国家の根幹へと繋がる。
調査を進めるほど、コーデリアとジンは危険な領域へ踏み込み、かつての敵国の王の生死、平和の裏で王が備え続けた“何か”、そして誰も語らなかった英雄たちの過去が姿を現す。
共に危険をくぐり抜けるうちに芽生える、依頼人以上の想い。
だが、真実を追うほどジンは国の運命を左右する存在となり、最後には“コーデリアだけは失いたくない”という願いと、歴史の闇が突きつける選択の狭間に立たされる。
英雄の死の裏側に潜む国家規模のミステリーと、姫と青年の静かな感情が交錯する重厚な歴史サスペンス。