プレイリストには、自分の好きな歌や元気の出る歌、思い出の曲などを格納して再生するものだと私は思います。でも、このプレイリストには「雨の音」だけ。言葉も無い、メロディーも無い。ただ、雨が降っている。どのような雨が降っているのか気になります。都会で働く一人の女性が、少しずつ世界との接続を失っていく悲観的な10首に見えますが、完全なる絶望の歌でもありません。歌詞の無い、誰にも何も要求しない雨の音。その雨音は「悲しみ」そのものというよりも、疲れた心があらゆる言葉を受け取りたくなくなった時の音のように聞こえました。やまない雨は無い、と言います。雨音を聞き続ければ、いつかは心の疲れも解れて、新しい光が見えてくるのではないか。たとえ人工のものでも光はある。そう感じさせてくれる作品でした。また、直接「つらい」と言わず、色々な物に感情を代弁させる技術が冴えわたる10首でもあります。