魔力の有無によって生まれながらに身分が決まり、平民が使い捨ての駒として扱われる理不尽な世界。
そんな世界で、すべてを奪われた少女・エルマが選んだのは、英雄に救いを求めることではなく、自らの力で生き延びることでした。
本作の魅力は、圧倒的な力で敵をねじ伏せるのではなく、弱者だからこそ持ち得る武器を駆使して強者に立ち向かうところです。
華やかな英雄譚の裏側で、泥にまみれながら必死に生きる少女の姿が、この物語の厳しい世界観を物語っています。
力を持たない者は、ただ踏みにじられるしかないのか。
理不尽な階級社会に抗う少女が、知恵と生存本能を武器にどこまで這い上がっていくのか。
王道の英雄譚とはひと味違う、泥臭く容赦のない下剋上ファンタジーが読みたい方におすすめしたい作品です。