医師になるという夢を叶え、医学部へ進学した篠原依音。
しかし、待っていたのは華やかな学生生活ではなく、成績への焦りや周囲との温度差、息苦しい人間関係でした。
努力しているのに報われない。
誰かを傷つけたくなくて、自分ばかりが我慢してしまう。
そんな依音の苦しみはとても現実味があり、知らず知らずのうちに自分を追い詰めてしまう姿に胸が痛みます。
そんな彼女が出会うのが、銀髪と黄金の瞳を持つ不思議な青年・シフォンです。
柔らかな雰囲気をまといながらも、ただ優しく慰めるだけではなく、時には核心を突く言葉を投げかける彼とのやり取りが本作の大きな魅力です。
「優しくあること」と「自分を犠牲にすること」は同じではない。
自分を守るために誰かと距離を置いてもいい。
シフォンの言葉は、依音だけでなく、頑張りすぎてしまう読者の心にも静かに届くと思うんです。
読み終えたあとには、シフォンケーキのようにふんわりと優しく、それでいて確かな温かさが心に残ります。
疲れた時や、自分の価値を見失いそうになった時に読んでほしい、そっと前を向く力をくれる素敵な物語です!