本作は芯の強いヒロインが好きな方におすすめの作品です。
本作の魅力を語る上でヒロインであるトワクロ様を語らないわけにはいかないでしょう。
本作にはトワクロ様の魅力という一本のしっかりした軸があります。
そこに緻密な情景描写や、従者との尊いやりとり、死領の仲間達の朗らかな会話などの魅力的な要素が枝葉のように添えられ、読みごたえのある作品へと仕上がっています。
このレビューでは、トワクロ様の魅力を中心に本作の魅力について語らせていただきます。
トワクロ様の魅力はなんといっても《絶望的な状況でも常に生きることから目を背けない強かさ》です。
トワクロ様は冤罪をかけられ、死領という僻地へと追放させられてしまいます。
そんな絶望的な状況下に置かれ、涙を流しながらも、トワクロ様は生きることから目を反らしません。
生き抜くために飲み水を探し、死領の中で生き抜こうとします。
絶望的な状況下でも挫けない強かさが彼女の大きな魅力です。
トワクロ様の魅力はそれだけではありません。彼女のもう一つの魅力は偏見に惑わされない聡明さと慈愛の心です。
トワクロ様は夜のような黒い出で立ちから周囲の人間から不吉だと忌避されていました。
偏見によって悪役令嬢に仕立て上げられた彼女。
偏見や差別に長いこと苦しめられてきた彼女だからこそ、彼女は偏見によって相手を差別することをよしとせず、相手の内面を見ようとします。
その慈愛の心は怪我をした黒狼に手を差しのべる程です。
そんな心優しく芯の強いトワクロ様の元には当然人が集まります。
その人柄からトワクロ様は死領の民達に「魔王さま」と呼ばれ慕われます。
本作は、強かで優しく芯のあるヒロイン、トワクロ様と、トワクロ様を慕う仲間達による心温まる百合国作りファンタジー。
芯のあるヒロインがお好きな方に堂々とお薦め出来る小説です。