「婚約破棄」から始まる王道の物語かと思いきや、この作品の本当の主役は「研究」でした。
主人公アウレリアのぶれない研究者としての信念、ルカとの息の合ったやり取り、そして少しずつ成長していくニーナ。それぞれの変化が丁寧に描かれ、読めば読むほど三人を応援したくなります。
特に、奇跡と呼ばれていた「祝福」を記録と検証によって再現可能な知識へ変えていく展開はとても新鮮で、魔法ファンタジーでありながら研究ドラマとしても強く惹きつけられました。
標本消失の謎や温室封鎖の真相、ガスパル教授の思惑など、ミステリー要素も巧みに織り込まれており、ページをめくる手が止まりません。
知的な面白さと温かな人間ドラマを兼ね備えた、続きが待ち遠しくなる作品です。