とにかく題材とテーマが好みでした。
千年もの孤独を耐え抜いて、愛する人と再会する……というだけでも切ないのに、そこに御伽噺風なストーリーがあったり、ミステリーを匂わせる描写があったり、ハラハラドキドキのアドベンチャーがあったり……神獣を使ってきている時点でもう、私の好みドストライクですよ!!
ありす甲子園2026のマスコットキャラクター九尾の狐ちゃんをモチーフにしてくれたのかしら?と思うほどタイムリーで、嬉しかったです(*´∇`*)
最後の展開には謎が多く、審査員たち一同、頭をフル回転させて読み込ませていただきました。
そんなわけで、「(S)すごく(F)不可思議でワンダフルー賞」を略して、SFワンダー賞と命名させていただきました!
日本神話をモチーフにしたお話はよくあると思いますが、そのスタートをロシアからはじめたことに新鮮味を感じました。
無垢でなんの罪もない少女が背負わされた運命の荒波を乗り越え、ただただ純粋に時を越える……というわけではないところにもリアルさと切なさがある気がします。
したたかだな、というのが一番の感想で、そのしたたかさが嫌いではありません。
ファンタジーでありながら、歴史物を読んでいる感じさえしました。
昔はこの手の壮大なお話があったような気がしますが最近はあまり見かけませんね。なんだか懐かしく、新しさと懐かしさを同時に味わいました。
長編で読んでみたい作品です。
こちらの作者さんはSF作家さんというイメージが強かったのですが、神話を絡めたファンタジーも書けるのか! と驚きと新鮮さもありました(*´ω`*)
皆様も是非読んでみて下さい!
孤独に育った青い目の少女が、人ならざる存在と交わした契約。
古代東スラブから日本へ渡った伝説は、千年後の現代、那須の殺生石で一つのUSBメモリを拾った青年へと繋がっていきます。
九尾の狐や玉藻前の伝承、古代ロシアの物語に、USBメモリや予知夢といった現代的な要素が加わる意外な展開が、とても面白く、「この出来事はどこへ繋がるのだろう」と先を追わずにはいられませんでした。
物語を貫いているのは、誰かに見つけてほしい、独りにしないでほしいという切実な願いです。
壮大な時間を描きながらも、その中心にある感情はとても身近で、少女の孤独が少しずつ胸に迫ってきます。
不思議な出来事の裏側が明らかになるにつれ、序盤の言葉や場面が新しい意味を帯びていくのも本作の魅力です。
伝説、転生、時を越えた縁が一つに結ばれる結末には、驚きとともに温かな余韻が残りました。
歴史や伝承を題材にしたファンタジーがお好きな方はもちろん、長い時を越えて続く愛や約束の物語に惹かれる方にも、ぜひ読んでいただきたい作品です!