第5話
早いもので5歳になりまして――
最近は使用人の仕事を頑張っている。
正確には使用人見習い。
お給金は出ない。
ただ働き――酷い。
まぁ、まだ5歳な事もあって、そこまでの過労はさせられていないのが幸いか。
アリサが母乳を出せた理由だが、アリサには現在6歳になる娘がいる。
名前はミモジー。俺の姉という事になっている。
そのミモジーと2人で、毎日頑張っているのだ。
そうそう、そういえば、お屋敷の方で大きなニュースがあった。
俺の実の両親に2人目の――いや、1人目の子供が生まれたらしい。
女の子だそうだが、なんとその子は魔力量が900ほどあるのだとか。
女の子な事が少々悔まれる部分ではあるそうだが、それでも、両親――エンドワール夫妻は大層お喜びなんだとさ。
この魔力格差社会よ、世知辛い世知辛い。
そんな5歳になる俺に1つ転機が訪れた。
その俺の妹に当たる――世間的には赤の他人にあたるエンドワール家の長女の為に用意された魔力測定器にこっそり触る機会があったのだ。
人目を忍んで測定した俺の魔力量は――10!
つまり今までの努力はすべて無駄だったという事だ。
さようなら、俺のチートライフ。
来世で会おう。
そうして、俺はヒートハンドを無駄に使うのを止めた。
5歳にもなると、普段の生活の為に他の生活魔法を使わないといけない場面も多いし、碌に回数使えないから、むしろ節約している。
「もう、クルセイは仕方ないわね! お姉ちゃんが水を出してあげないと、碌に洗濯も出来ないんだから!」
洗濯板でごしごしと、使用人用の衣類を擦っていると、一緒に作業をしていたミモジーが、やれやれと言ってきた。
「いやぁ、すまないねぇ~ミモジー」
「なによ、そのおじいちゃんみたいな喋り方は。まぁいいわ。なにせ私は魔力量130! 使用人達の中でも多いものね! そりゃ頼りになっちゃうわよね!」
そう、使用人の子供であれ、生まれて直ぐに魔力を測定するものらしく、ミモジーも測定済み。
そんなミモジーの130は、生まれた段階で母アリサを上回っていたのだ。
それを知って以降、ミモジーはちょっと天狗になっているのである。
6歳の天狗、かわいいじゃろ?
こうして、俺の異世界生活はつつがなく過ぎていくのであった。
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