フナムシを仕方なく食べるほどの極貧生活を送りつつも、
育ての親である老人からの教えで悪事には手を染めなかった孤児の少女。
老人は亡くなり、嵐で住む家は吹き飛ばされ、魚も獲れず、
これはいよいよフナムシかと覚悟を決めようとしたその時、
投げ網に妙な「箱」が引っかかる。
この喋る箱との出会いが少女の人生を一変させる。
魚を獲ったり
料理したり
健康診断をしてくれたり
帳簿の間違いを指摘したり
ビジネスマナーをレクチャーしてくれたり
何でもアリで高性能な箱「オジサン」と、
妙に肝が据わっていて物怖じしない少女「ヒメ」のコンビが織りなす、
愉快な成り上がりコメディ!
これからの展開が楽しみです。
…あとこれは他の作品からも伺える作者の「癖」だと思うんですが、
今作のヒメちゃんも言動の端々から「片鱗」が出ているので、
おそらく作者の言う清潔な作風は早々に保てなくなると思います…
その港町では珍しくもない孤児の一人である少女。その左目は空洞で、生まれつきなのか病気で失ったのかも分からない。
嵐に遭い、生活基盤を失った少女は、食料を求めてかろうじて残った投網を海に打つ。
そこで引き上げたものは、黒い何か。この世界で「遺物」と呼ばれる一獲千金のお宝のはずが……
こう書くと、暗い話に見えますが違います。コメディです。
名前すらなかった少女と遺物。お互いの名付けから物語は動き出します。遺物(しゃべります)は少女の左目に納まって、なにやら一風変わったバディものの立身出世譚が始まりそう。物語が三人称で語られていることから、二人で一人という不思議な主人公、妙におかしな楽しいやりとりのできあがりです。
まだ評価するには早すぎるかもしれませんが、キャラの立ち方や、ギャグセンスに定評のある作者の新作です。人に薦めるのに早くて悪いことはないはずです。『いつも通りのハートフルストーリーです』とのことですが、レイティング三拍子は健在です。ということは……ピヨ氏さん作品に慣れた諸兄諸姉には、分かりますよね。(でも実際ハートフル度は高めかも)
体調不良で、小説なんて書いてられない時、ふと筆が乗って書いてしまった作品とのことで、流石どうかしています。(褒め言葉です)
そのどうかしている部分を存分に発揮できるポテンシャルを備えた名作コメディの予感がします。
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