地球の七割は、海でできているという。そして、その海のうちの95%が深海なんだという。どこまでも深く、闇と凄まじい水圧に守られたこの世界は、まさに人類が足を踏み入れる事さえ叶わない『禁断の聖域』だといえる。言い換えれば、我々は宇宙へ出る前に地球の過半数を探検できていないということになる。
……もし、そこに今までの人類の認識を塗り替えるほどのものがあったとしたら? 否定はできない、だって確かめようがないんだから。仮に、人智を超える巨大生物が潜んでいたとしても、我々が知らない謎の文明があったとしても、我々は知りようがない。そして、それを何かの間違いで目にすることができても……生きて帰れる保証はない。
深い海の暗さと謎。そして、蔓延る謎の巨大生物や文明。海の神秘と恐怖が凝縮された本作を読んでいると、地上にいながら海の底にいるような息苦しさを感じられる。