人は確実に選ぶ作品である。機動戦士ガン⚪︎ム、とりわけそのやられ役のザクを知らないと面白さ半減であろう。
個人的には一番好きなモビルスーツ(人型ロボット兵器)なのだが、何しろ序盤の敵方の兵器のため主人公機に死ぬほど撃破されまくる。量産兵器という当時のロボットアニメとしてはリアルな設定だったのだが、逆に何度も何度も破壊されて、機体名の語感からもすっかり当時の小学生には「ザコ」扱いされていた。
本作は「雑魚田中決定戦」というお題企画の書き下ろしだそうだ。それ故に作者も連想ゲーム的にザコというモービルスイーツ(改変しているが結局英語のスペルは同じ)を軸に据えた滑稽話に仕立てたのだろう。わたしでも高確率でそうする。そのくらいザクの印象は強烈なのだ。
さて本作の真髄は天丼である。この作者の得意技の一つだが、今回は何と五回も重なる。普通なら「いい加減にしろ」と殺意が芽生えてもおかしくないが、全くそう思わず、次はどう落としてくるんだとワクワクしてしまうところがこの作者の力量の凄さである。
確かに人は選ぶ。だがガ⚪︎ダムを全く知らなくても面白いことは保証する。ただ当時からザクを知っていた方が数倍面白く、その一点で評者は優越感を覚えるのである。ふひひ。