生みの親が、自分の書いた花魁に言い負かされている。しかも毎晩。
前口上を始めれば「要らない」と切られ、地の文を守ろうとすれば部屋に座らされ、お菓子を差し出せば毒見を疑われる。作者の悲鳴まじりのツッコミを、花魁はお茶片手に涼しい顔で受け流す。この温度差が、わりと癖になる。
凱花魁は下戸で猫舌。お茶のことだけは妙に真剣で、詫びるなら作者より先に茶葉へ。そのくせ買い忘れもするし、冷めたお茶には「敢えて」と澄ましてみせる。艶やかに、かわいらしく、それでいて、どこか凛とした姿は、まさに花魁。
肩の力を抜いて読める、短い茶飲み話。
お茶のように後味すっきり。