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逢魔が時の水溜り 【下】への応援コメント
この度は、自主企画に参加してくださり、ありがとうございます。
夕暮れと雨上がりの空気がじんわり伝わってきて、気づけば物語の中を一緒に歩いていました。あの古びた書店だけは、誰かの「必要な時」にだけ姿を見せる場所なのかな、と勝手に想像してしまいます。もしあの日より少し早く、あるいは遅く着いていたら、優里は何を見ていたのだろう…そんな余韻まで楽しめる世界観がとても素敵でした。
素敵な作品を読ませていただき、ありがとうございました。
作者からの返信
素敵な企画をありがとうございます。
先程書き終えて勢いで投稿してしまったので記載し忘れていました。すみません。
作品詳細の方にも描かせていただきましたが、当初『夕立』で書いていたのですが、期限的な問題でイベントの方には『忘却』で出品しています。
要は、夕立・忘却どちらもコミということです。
面倒くさくてすみません。よろしくお願いします🙇
逢魔が時の水溜り 【下】への応援コメント
文芸部へのご参加、ありがとうございます。
夕暮れ時の通り雨、偶然迷い込んだ古びた書店、そして「水溜り」を通じて繋がる異界の神々との時を越えた美しい約束。受験勉強の閉塞感の中で自分を見失いかけていた主人公・優里が、かつて自分が救った幼き神・律との再会を通じて「私は私なんだ」と自分を取り戻していく、圧倒的な世界観と文学的な美しさに満ちた素晴らしい小説、深く没頭して拝読いたしました。
■ 全体を読んでの感想
「毎日毎日、勉強勉強で自分ってなんなんだろうって分からなくなっちゃった」という優里の痛切な吐露。その息苦しい現実の闇が、神域の「黒い沼」として現れる精神的な演出が非常に見事です。「優里、貴女は貴女だ」と律が名前を呼ぶことで、優里の心が雨上がりの空のように晴れ晴れと晴れ渡り、現実へと生還するカタルシスに深く胸が熱くなりました。
元の世界に戻った後、あの不思議な本屋は消えていたけれど、足元には青空ではなく「あの茜色の空を映し出した小さな水溜り」が残っているラスト。理屈ではない神秘的な余韻がどこまでも広がる完璧な幕引きでした。
■ お題「共感覚表現」と「これまでの学び」について
本作は、前回のテーマである「象徴」を、今回の豊かな「五感の描写」と美しく融合させた素晴らしい表現がいくつも光っていました。
特にお婆さんから手渡され、かつて和子が神包みに使ったという「藍染の手ぬぐい」。これが単なる小道具ではなく、50年前の絆のバトンであり、優里が自分の優しさを思い出して現実へ帰還するための「アイデンティティの象徴」として完璧に機能しています。さらに、現実と異界の境界線としての「水溜り」の置き方も非常に洗練されています。
そこに重ねられる、
・「どこか懐かしい雨の香気」
・「インクと埃、そして年季の入った木材の匂いが充満したお店」
・「夕陽の橙と徐々に空を覆っていく宵の濃紺の色」
・「カランコロンという下駄の音」
といった五感に訴えかける描写は、読むだけで雨上がりの涼しげな空気が肌に触れるように瑞々しいと感じました。
ただ、今回のテーマである「共感覚表現」という視点から見ると、本作の描写はそれぞれ「匂いを嗅覚として」「音を聴覚として」ストレートに伝える手法(一対一の描写)が中心となっています。そのため、このままでは「異なる五感を交差させてパレットの上でブレンドする」というお題の形には、あと一歩届いていない印象を受けました。
もし、本作のすでに完成された美しい描写を、さらに実験的に「共感覚のブレンド」を強めて描いてみるなら、「ある感覚を、あえて別の感覚に翻訳して重ね合わせる」というアプローチも、この逢魔が時の神秘的な雰囲気にさらなる深みをもたらしてくれそうです。
・例えば:
・「どこか懐かしい雨の香気」 を、さらに交差させて、
➔ 「どこか懐かしい、薄青くひんやりとした雨の香気が辺りを包み込んでいく」 (嗅覚×視覚・触覚:匂いを色と冷たさに翻訳する)
・「カランコロンという下駄の音」 を、さらに交差させて、
➔ 「カランコロンという下駄の音が、夕闇の静寂の中に、涼やかな橙色の光をぽつぽつと灯していくようだった」 (聴覚×視覚:下駄の音を、暗闇に灯る光の色として捉える)
・「インクと埃、そして年季の入った木材の匂いが充満したお店」 を、さらに交差させて、
➔ 「インクと埃、そして年季の入った木材の匂いが、静かな呼吸のように優しく耳元で囁きかけるお店」 (嗅覚×聴覚:匂いを優しい囁き声として聴く)
このように、すでに持っていらっしゃる「感情を乗せた五感の描写」を、あえて別の感覚の言葉でブレンドしてみるだけで、現実と異界の境界線がさらに曖昧に溶け合い、きらきらとした魔法のようになって読者の心に染み渡るかもしれません。
もちろん、そのままのストレートで美しい描写や質感こそが、この現実的な息苦しさと異界の不思議な手触りを最も魅力的に伝える方法だと思います。
共感覚を使うと、どうしても読者へ届けたい感覚が抽象的になりすぎてしまうこともありますので、ここでは不気味さやリアルさを出すためにストレートに伝え、ここでは境界線が溶けるような幻想的な雰囲気を出すために共感覚を使ってみよう、といった「表現の引き出し(選択肢)の一つ」として、このお題を楽しんでいただけたら嬉しいです。
■ 最後に
夕立の匂いのなかに隠された、一人の少女と神様との美しく切ない絆を、お題の香りと象徴の魔法に乗せて届けてくださり、本当にありがとうございました。
また部室にて、あなたの紡ぐ、五感が静かに響き合う美しい物語に出会えるのを心より楽しみにしております。