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  • 第一章 D-90への応援コメント

    第一話拝読しました。「定理が偽になる」という設定を、SFらしい壮大さではなく、水道料金の請求書という卑近な着地点に落とし込む筆致にまず唸らされました。橋は落ちない、けれど誤りは誤りだ、という一文に、この物語全体の倫理観が凝縮されている気がします。

    間宮律という人物の描き方が本当に見事です。四十七秒の待ち時間の使い方、上着のボタンを四つとも留める所作、観葉植物への水やりの規則――こうした細部の積み重ねが、彼の「無駄のなさ」を言葉で説明せずに体現していて、まさに行動で語る人物造形だと感じました。自販機の釣銭を戻す場面など、誰にも見られていない場所でも変わらない律義さに、この人の輪郭がくっきり浮かび上がります。

    そして「劣化代替」という発想。完全な証明を諦め、必要な部分だけを担保する平凡な補題に置き換える――この諦観と実務性のバランスに、乙原定理という大物を巡るこれからの展開への緊張感が重なって、続きが気になって仕方りません。
    汐見螢が判定欄に丸をつけず、何かを書いて消す場面も印象的でした。彼女の内面にまだ触れられていない分、想像を掻き立てられます。

    とても、続きも気になります
    ゆっくり読み進めたいと思ってす。

    作者からの返信

     八雲さん、いらっしゃいませ。

     数ある作品の中から拙作をお選びいただき、ありがとうございます。

     お楽しみいただけますと幸いです。

     ある日「参照されないと、定理が偽になる世界があるとしたら、それはどんな世界だろう?」という数学の本質をガン無視した着想を得てしまい、試行錯誤の末、ついつい最後まで書き切ってしまいました(笑)

     自分なりに納得のいく展開で終わらせることができたので、八雲さんのお眼鏡にかなうことを祈っております……!😊