飢えに取り憑かれた男が、食べても食べても満たされず、ついには人間性を失っていく過程を描いた怪異譚です 📚👻
飢餓の描写が生々しく、読者の胃の奥がきゅっと縮むような恐怖が迫ってきます 🩸😨
痩せ細った身体に、腹だけが異様に膨れ上がる “餓鬼” のような姿は、伝承ホラーの持つ不気味さを極限まで高めています 🪦🩶
静かな筆致なのに、読み進めるほど背筋が冷たくなる構成が見事です 🌫️👁️
伝承系ホラーが好きな方、怪異の “得体の知れなさ” を味わいたい方、短編でも濃密な恐怖を求める方に強くおすすめします 🔥🕯️
飢えと怪異が交差する瞬間を、ぜひ味わってください 🍂😱
或る時から、喰らっても喰らっても胃の腑が
満たされなくなっしまった
と或る 男
家中の食物では事足りず、近隣の家々に
盗みに入るも、腹が満たされるどころか
それが元で放逐された。
野山を駆けめぐり、口に入る物ならば何でも
喰らったが、それでも決して満たされず。
飢餓渇望は、男を恰も地獄の餓鬼の如くに
変えてしまうが…。
秀逸な掌編を幾つも世に出している作者の
この掌編。
血みどろの地獄を体現しているが。
それは、余りにも恐ろしく忌わしい瞬間。
見知らぬ 善意 が、醜く悍ましさすらを
漂わせるのだ。抑も、善意であったのかも
怪しい。単なる偶然の賜物か、或いは
物怪の幸いか。
これも又 通りモノ の如く。
往き遭えば 祟る やも知れぬモノだろう。
文章と構成がよい。
読者に与える情報を最小限に抑えた冒頭は、カクヨムで小説を書く、大半の人間の参考になる。というか、切実な思いとして、ぜひ参考にしてほしいところだ。
最小限しか与えられない情報のもと、読者は「どうなるのだろうか?」と思いながら、先へ先へとこの短い文章を読んだことであろう。この引き込む力が本作の見どころである。
アイデア自体に奇抜性があるわけではない。しかし、いつもいつも奇抜性のあるアイデアが思い浮かぶわけではない。だったら、なにで、安定的に読者を、自分自身を楽しませるのだ? それは文章力と構成力であろう。勉強になるから、ぜひぜひ、ご一読あれ。
【レビューコンテスト応募】
二ノ前先生のもの凄さは、既にファンの方には、説明する必要も無い程ですが、
ここで、初めての読者の方に向けて、再度、その物凄さをお話し致しますと、先ず、圧倒されるのが、語彙力・筆力(文章力)の、もの凄さです。
勿論、ホラーの怖さも、ピカ一なのですが、
このホラー自体が、何と言えばいいのか、時間・空間の超克は無論の事、神話・伝承の類から現代最新鋭の科学まで取り込んでの、一大創作劇なのです。
さて、今回の話は、飢餓にまつわる怪談(ホラー)なのですが、飄々と流れるような文章に込められた、飢餓の正体が、最後に、描かれています。
あまりに書きますとネタバレになりますので、ここらでレビューを辞めますが、この怪異なる奇譚話を、心から、御堪能下さい。