高校生でこれを書くのかと少し驚きました。
「人間の変なところ」「善悪では割り切れない曖昧さ」に強く興味を持っている書き手なんだろうなと率直に思いました。
文章は決して洗練されているとは言えません。説明が重なったり、会話が回り道をしたりと、技術的には粗さもあります。
それでも、不思議と最後まで読まされてしまいました。理由は、人物の会話にある「妙な生っぽさ」です。
まるで知り合いの駄弁りを延々と聞かされているような。でも気になるワードがあって、つい聞いてしまうような。そんな印象です。
>「優しい」のではなく「人に甘い」
その違いに二人の会話だけで辿り着く流れがとてもとても印象的でした。
百合っぽい流れも出てきますが、本当に書きたかったのは、多分そこではないと思うんです。
人との距離感や価値観を描きたかったのではないかと。
文章力は技術でどうにでもできます。みんな技術以外のところで悩むわけです。
この作者には「人間を観察して言葉にする感覚」があります。
その感覚がこの作品の一番の魅力だと私は思います。
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