出だしから惹き込まれました。
夏になるとイヤフォンが使えなくなる。夏になるとイヤフォンからノイズを感じ、その理由を記憶が壊れているから、と主人公は言う。
どうして?タイトルに「夜」とあるから、夏の夜に何かあったの?、とその理由を求めて、スマホの画面をスライドする手が止まりません。
理由が気になるだけではありません。
とにかく、表現が素晴らしい。
炭酸の泡、透明なラムネ瓶、夏の茹だる空気の質感……五感に訴えかける情景描写に、短く、ぽつぽつと繰り返される会話のテンポがマッチしていて、とにかく良い。
夏に読むのにピッタリな良作。
お勧めです。