この作品集は占い師をなされていた作者が、お仕事中の胸の裡に浮かんだあれこれを和歌として読まれたものです。
占いの用語も和歌にも詳しくない。
そんな私にさえ、感じられるユーモアと漂う哀愁に惹きつけられました。
なるほど、これほど諧謔に富んだ言葉を紡ぐ方なら、お客様との会話もきっと楽しかったに違いありません。納得です。
人の行く末を伝えるという仕事には、さまざまな矛盾や可笑しみ、そして人間らしい機微に満ちた出来事があったことでしょう。
そんな日々の中から生まれた和歌だからこそ、一首一首に人の心をつかむ力があります。
誰もが魅了されることでしょう。
きっと運命で、そう決まっているのです。
……いや、そこまで大げさなことではないかもしれません。
でも、この楽しい短歌の数々に愉快になるのは、間違いがないはずです。
とても面白い短歌です。
これはもう、オススメせざるを得ないのです。
【レビューコンテスト応募】
占い師にしか詠めない短歌が並んでいて、
興味深く拝読しました。
特に第3話が、生々しくて衝撃的でした。
その5首の中の3首目。
元彼の生年月日を何十年カルテの裏で飼い殺す日々
何十年も元彼の生年月日、
そしてもしかしたら元彼の他の情報も、
この占い師のカルテの檻の中で眠っているのかもしれません。
元カノがこの占い師だったら……、
そう考えるとなかなかのホラー短歌です。
とにかく、
こんなふうにリアルな占いの現場が、
仄かなユーモアを漂わせながら活写されていて、
人間の心の機微を浮き彫りにするような、
目を見張る短歌集になっています。
占い好きも、そうでない方も、楽しめるおすすめの作品です。
【レビューコンテスト応募】