「職夢質問」「非夢三原則」といった秀逸な言葉遊びで始まる本作は、軽妙なテンポで読者を惹きつけながら、人間の身勝手さと「夢」という存在の悲哀を鮮烈に浮き彫りにしていきます。
「追いかけ回される夢の都合や気持ちを考えたことがあるのか」という問いかけには、思わずハッとさせられました。私自身も「夢」を題材に物語を書いている一人の書き手として、この独特で切ない着眼点には強い親近感を覚えると同時に、深く胸を打たれました。
追う側の都合で消費され、やがて街に打ち捨てられていく夢たち。ラストの「その日、僕は、夢を殺した。」という静かな諦念が残す余韻はあまりにも美しく、短編映画を観終えたかのような満足感を与えてくれます。ショートショートの魅力が凝縮された傑作です。