残飯を漁り、物乞いをしながら暮らす48歳のホームレス・ヨシオ。
そんな彼が、三年ぶりに姪の柚希と再会したことから始まる物語です。
【どん底から始まる主人公】
食べるものにも困り、自分のことも「立派な人間じゃない」と卑下するヨシオ。
でも読み進めると、どうやら本当にダメなだけの人ではないんですよね。今の姿になるまでに何があったのか、少しずつ見えてくる過去が気になります。
【なんだかんだ慕われている】
久しぶりに再会した姪の柚希は、ヨシオを放っておけずに家へ招き、甥の凛太郎も昔の思い出を大切に覚えている。
本人が思っている以上に、ちゃんと二人の中に「叔父さん」として残っていたんだな、と感じました。
どん底まで落ちたヨシオが、ここから何を取り戻していくのか。つい見守りたくなる物語です。
この作品は、48歳のホームレス・ヨシオと、16歳の姪・柚希という刺激的な設定でありながら、二人が抱える孤独と心の距離を丁寧に描いている作品だと思います。
特に印象的だったのは、柚希がヨシオを自宅へ連れ帰る場面です。恵まれた家庭にいるように見える柚希も、優秀であることを求められ続け、本当の自分を見てもらえない孤独を抱えています。一方のヨシオも、自分の惨めさから家族との関係を断っており、境遇は正反対なのに似た孤独を抱えていることが見えてきます。
また、一度は柚希を突き放したヨシオが、雨の中で彼女を探しに行く場面も印象的でした。人との関係から逃げてきたヨシオが、柚希のために自分から動くことで、少しずつ変わり始めていることが伝わってきます。
単なる年齢差ラブコメではなく、互いを必要とすることで前へ進んでいく「再生」が、この物語の芯にあるように思います。
序盤までの紹介となりますが、ヨシオと柚希の関係がどこへ向かうのか、これからも追いかけて行きたいと思います