第49話
ケンカをした次の日。
いつものようにスマホを見る。
悠真くんからLINEが来ていた。
『今度の日曜日、時間ある?』
心臓が少し跳ねる。
すぐに返信したい。
でも。
もう前みたいに迷わない。
素直に送る。
『あります。会いたいです。』
送ったあと。
顔が熱くなる。
でも。
取り消さなかった。
少しして。
悠真くんから返信。
『よかった。
俺も会いたい。』
その一言だけで。
嬉しくて笑ってしまった。
⸻
日曜日。
駅で待ち合わせ。
車が見える。
いつものように手を振る。
「おはようございます。」
すると悠真くんが笑った。
「みこ。」
「はい?」
「今回は。」
「ちゃんと言ったね。」
「え?」
「会いたいですって。」
恥ずかしくなる。
「……はい。」
「頑張りました。」
そう言うと。
悠真くんは笑った。
「頑張ることじゃないよ。」
「でも。」
「言ってくれて嬉しかった。」
⸻
今日は近くのカフェへ行った。
前なら。
沈黙になったらどうしよう。
何を話そう。
そう考えていた。
でも。
今は違った。
「今日の朝さ。」
悠真くんが話す。
「寝坊して危なかった。」
「え?悠真くんでも寝坊するんですか?」
「するよ。」
「ちゃんとしてそうなのに。」
「みこの中の俺、どんなイメージ?」
二人で笑う。
くだらない話。
何でもない話。
それが楽しい。
⸻
帰り道。
悠真くんが言った。
「みこ。」
「はい。」
「これからさ。」
「寂しい時は言って。」
「わがままかなって思わなくていいから。」
私は少し考える。
「悠真くんも。」
「はい?」
「疲れてる時は言ってください。」
「無理して優しくしなくていいです。」
悠真くんは少し驚いた顔をして。
そして笑った。
「みこ。」
「はい。」
「成長したね。」
「え?」
「前なら絶対、そんなこと言わなかった。」
そう言われて。
少し嬉しくなる。
「悠真くんのおかげです。」
「俺?」
「はい。」
「私、ちゃんと言っても嫌われないって分かりました。」
悠真くんは優しく笑った。
「俺も。」
「みこに頼ってもいいんだって分かった。」
⸻
帰りの車。
窓の外を見る。
付き合う前。
この助手席に座るだけで緊張していた。
何を話したらいいか分からなかった。
でも今は。
隣にいることが自然になっている。
恋って。
相手を完璧にすることじゃなくて。
不安なところも見せながら。
一緒に成長していくことなのかもしれない。
これからも、ずっと…。
あの日、駅で君に出会った。 @ROOOOON
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