第3話 出会い系への道
出会系サイトというと、今の時代にも残っているという。元々は、
「テレクラ」
と呼ばれるものが、元祖だったのではないかと思われるが違うだろうか?
風俗のようだが、自由恋愛に近いものという発想だ、確かに、自由恋愛といってしまえば、その通りのように思える。つまり、
「風俗のようで風俗ではない」
あるいは、
「自由恋愛のようで自由恋愛ではない」
とくると、
「それは何かと訊ねたら?」
という、まるで大喜利のお題のようではないだろうか?
まだ、パソコンやネットが完全に普及していない時代、テレクラというのは、電話の、
「フリーダイヤル」
というサービスで成り立っていたといってもいい、
電話を掛ける女性には、フリーダイアルに掛けさせ、電話代を無料にすることで、電話を掛けやすくする。
男の方は、女性と仲良くなれるという思いから、お金を使ってでも、その場所に来るというわけだ、
男性の方は、
「女性と知り合う」
というよりも、人によっては、
「掛かってくる電話の相手の女性がどんな女性なのか?」
ということを楽しみにそのドキドキを得たいと思って、お金を払ってもいいと思っている人もいるだろう。
テレクラというところは、一つのオフィスみたいなところに、いくつかのブースのような個室がある。そこには、台があって、そこに電話が置かれているというわけだ。そこでなった電話に出ることで、女性と話をできる。
その場合、男性は一時間単位でいくらというようなシステムで、要するに、電話がついている部屋を借りるというわけだ。
電話が鳴らない時は、表にあるマンガなどを持ち込んで、電話が鳴るのを待っているというわけで、中には、その待っている時間を楽しみにしている人もいることだろう。
何といっても、
「いつ電話が鳴るか分からない」
ということで、一種のスリルとドキドキを味わえるわけで、
「女性と知り合う」
というよりも、このドキドキを楽しみに来る人も少なくないのではないだろうか?
男の中には、内気で普段、女性にも声を掛けられず、当然彼女もいないという人も少なくはない。
かといって、性欲を満たすためだけに、風俗でお金を使うということに抵抗を持っている人もいるだろう。
だから、
「テレクラというのは、風俗のようで風俗ではない」
という体裁にしておくのだ。
もちろん、警察に目を付けられないようにするというのお大切なことだが、それ以上に、
「男性心理をちゃんとつかむ」
ということが大切だと言えるだろう。
そうしないと、どうしても、男性客は風俗の方にいくだろう。テレクラの魅力は、
「風俗ではない」
というところにあるといってもいいだろう。
だから、
「風俗が好きな人は、あまりテレクラを利用しない」
と言えるのではないだろうか?
そもそもテレクラというのは、
「素人女性とできる」
ということが売りではないだろうか?
となると、相手がプロだと、男性も引いてしまうといってもいい。
そこで問題になるのが、
「電話を掛けてくる女性」
ということだ。
男性がドキドキするシチュエーションとして、テレクラには二種類の形態がある。ただ、これにはそれぞれに、メリット、デメリットがあるといってもいいだろう。
その一つは。
「電話をすべての入室している部屋に均等にならす」
という方法だ。
つまり、皆が取ることができるという、ある意味公平であるが、要するに、
「早いもの順」
ということになる。
メリットとしては、もちろん、
「公平に電話を取ることができる」
ということであるが、逆にデメリットとしては、
「下手な人は、ずっと電話を取ることができない」
ということである。
もう一つは、
「電話を順番に掛かるようにする」
ということで、早い者勝ちというわけではない。
順番につながるのだから、最初の権利はその人ということになる。そうなると、その二人が交渉不成立の時、男が電話を切れば、次の人につながるということになる。メリットとしては、
「早い者勝ちだとすれば、最初に交渉成立しない場合は、また同じ人につながる可能性がある」
ということであるが、順番性であれば、最後までいかなければ、再度電話を掛けるしかなく、その時は同じ人につながるかも知れないが、一通り全員と話ができるのだ。
デメリットとしては、
「順番なので、自分の順番が来るのがいつになるか分からない」
ということで、へたをすれば、時間内に一度も電話がかからないということだってあるだろう。
それを思えば、
「どちらが本当にいいのか?」
というのは、疑問である。
要するに。
「自分に合った店にいく」
ということになるだろう。
それでも、
「どちらかの制度の店しかない」
ということであれば、そこに行くしかないということなので、それはそれでどうしようもないということになる。
そして、交渉が成立すれば、表で待ち合わせということになるのだが、すぐに交渉が成立した人は、
「2時間で部屋を借りているのに、10分で交渉成立ということで、実際に目的は達成できたのだから、そこで終わり」
ということにしてもいいのだが、そうもいかない。
というのは、実際に待ち合わせをしても、相手を見た瞬間に、どちらかが考えを変えて、名乗り出ないということもあるだろう。
男も女もしたたかなもので、そうなると、男は
「せっかくの時間だったのに、たった10分で終わってしまった」
ということになる。
だから、テレクラとすれば、
「部屋自身は2時間の契約なのだから、男が出ていく時は、外出ということにする」
ということである。
戻ってくれば、そのまま時間を継続し、最初の入室から2時間を使うことができるというわけだ。
しかし、さすがにずっと開けておくのはもったいないということで、
「外出から30分戻ってこなければ、その客は退店したということで、部屋を開放する」
ということにするのであった。
そうでもしないと、客とすれば、文句になり、客がこなくなる可能性があるということである。
実際に、これが男性側ということであるが、女性側というのは、どこかで待機しているというわけではないのだ。
女がフリーダイアルを知るという方法として、一番多いパターンは、
「ティッシュ配りのバイト」
からである。
そういえば、今ではあまり見ないが、昔は都心部や繁華街の駅前などを歩いていると、たくさんのティッシュ配りというのがいたものだ。
そのほとんどが、
「サラリーマン金融」
と言われるもので、もう一つが、
「テレクラのティッシュ」
ということだった。
そこにフリーダイアル載せておいて、女性が公衆電話などから、そこに電話を掛けてくるという仕掛けである。
言われてみれば、
「たくさんのティッシュ配りが街にあふれていた」
というのを覚えている人も結構いることだろう。
それを思えば、
「その時期というのが確かに、テレクラの流行っていた時期だったな」
ということになるのだ。
女性は、その番号を見て、テレクラに電話を掛けてくる。
中には、普通に
「自由恋愛」
を求めてかけてくるという人もいるだろう。
例えば、
「寂しい主婦」
というのもいるだろう。
今では当たり前になった共稼ぎであるが、当時は、バブル崩壊により、仕方なく働かなければいけない主婦というのが増えてきた。
しかも、それまでは、
「専業主婦が当たり前」
といっていた時代だっただけに、
「男もまだ女との距離が遠い」
という時代だった。
何といっても、まだまだ
「男尊女卑」
と言われるような
「昭和の考え」
というのが色濃く残っていた時代だったということで、
「家事や育児は女がするものだ」
と思い込んでいる男性が多い。
だから、
「共稼ぎとなっても、家事や育児は女性がやる」
というわけで、負担はすべて奥さんに来るというわけだ、
そうなると、女性の不満は募るわけで、中には、ハッキリと離婚をするという人が増えてくるというのも当たり前だ。
それでも、何とか我慢しようとする女性でも、さすがに、
「肉体の寂しさ」
というものを補うのは、結構きついに違いない。
それを考えると、
「テレクラに走る」
という主婦も多いだろう。
「後腐れなく、その時だけ」
というだけである。
しかも、相手の男は、
「肉体目当てで、付きまとわれる可能性は低い」
と考えると、どこか安心できるところもある。
実際に、そうやって、
「アバンチュールを楽しむ」
という主婦も少なくはなかっただろう。
これも、時代の流れというもので、テレクラを利用する人は別の理由で、利用している人もいる。
やはり、
「バブルの崩壊」
というものが大きいのかも知れないが、つまりは、
「売春」
と呼ばれるものだ。
だからこそ、
「風俗ではなく、自由恋愛」
という形は、女性にとってありがたい。
もちろん、男にとっても、浮気になるわけではないので、それこそ、
「出張先での気軽なアバンチュール」
というわけだ。
風俗も、出張の客が多いと聞くが、
「旅の恥は掻き捨て」
とでもいうか、後腐れなさというのが魅力ということであろう。
女性の場合は、さらに切羽詰まった事情があるだろう。
というのは、
「バブル崩壊」
ということにより、結構リストラされる女性社員も少なくない。
しかも、時代はまだまだ女性社員を雇うということもない時代。今のように、
「非正規雇用」
であったり、
「派遣社員」
というのはあるにはあったが、まだまだ知名度が低かっただろう。
そうなると、
「女性の求人というのはどうしても少ない」
と言える。
今のように、
「男女雇用均等法」
というものがあり、
「女性だから不採用」
ということはできないという時代ではない。
どうかすると今の時代であれば、
「女性を数人は雇わなければいけない」
というようなところもあったりするのだが、まだ時代が追い付いていないという時代だった。
まだまだ男性でも失業者が多かった時代。失業女性が街にあふれているのも当たり前といってもいい。
だから、彼女たちは、
「売春」
という方法での商売に走るということだ。
それに、テレクラが一枚噛んでいるのだ。
風俗店というとどうしても、敷居が高いと思っている人でも、自分で交渉し、男性を見つけることができるのが安心と感じていたかも知れないが、逆にいえば、
「どんな相手が来るか分からない」
ということで、
「これ以上怖い者はない」
と言えるかも知れない。
風俗店であれば、ちゃんと受付をして、スタッフもいるので何かあった時は、スタッフが対応してくれるということで、一番安心だからだ。
それでも、テレクラが流行ったというのは、
「男性側も女性側も、その時だけ」
といういわゆる、
「割り切り」
ということが成立したからであろう。
つまりは、
「お金で女を買う」
という、文字通りの、
「売春」
ということである。
ただ、テレクラを利用して、女性とアバンチュールをしたという人に話を聞いたことがあったが、
「俺は二度と嫌だな」
といっていた。
その男は、
「あれなら風俗の方がいい」
というのだが、話を聞いてみると、
「なるほど、確かにその通りだ」
と思えるところはあった。
というのは、
「相手の女は、とにかく、数を裁く」
ということで、一日にたくさんの男を捕まえて、
「とにかくお金だけしか求めていない」
というのだ。
本来であれば、
「寂しい主婦」
というのであれば、
「俺はサービスをしてくれれば、お金を少し上乗せしてあげてもいいと思ったくらいなのに、この間の女は最低だった」
というのだ。
というのは、
「まるで事務的で、実際のプレイもマグロだったのさ。こっちは最初から冷めていたよ」
ということであった。
「プロだったら、こちらを喜ばせようと一生懸命にしてくれるけど、相手は素人という意識があるからなのか、あれはダメ。これはダメって、だったら金を要求するなよって思うよな。本当に最低だよ」
ということで、
「だったら、風俗の方が素晴らしい」
ということになるのも当たり前というものであろう。
それが、テレクラのすべてにおける
「デメリット」
ということになるだろう。
テレクラは、しばらくすると衰退していった。実際、街や繁華街からも、店舗はどんどん消えていき、それこそ、
「街のティッシュ配り」
というのもなくなっていった。
条例などで、禁止が決まったところも多いことだろう。
何といっても、
「テレクラ」
というものと、
「サラ金」
それぞれに、どうしようもない街のがんだったわけだから、それも仕方のないことだと言えるだろう。
それを考えると、
「テレクラが消えるのも当たり前だ」
と言える。
ただ、テレクラの店が消えていったというのは、他にも理由というものがあった。
というのが、
「次代の進歩」
といってもいいだろう。
その最たる例が、
「携帯電話の普及」
ということである。
「携帯電話が普及してくると、固定電話がどんどんなくなってくる」
ということになり、しかも、
「携帯電話を使って、メールも使える」
ということになると、別のサービスというものが出てくるということになるのであった。
それが、
「出会い系サイト」
というものになるのであった。
これは、
「パソコンの普及によりネットが普及した」
ということに付随するもので、要するに、
「ネットというのは、パソコンでもケイタイでも利用できる」
ということになったのだ。
そうなると、いちいち店舗に行って、電話がかかってくるのを待っているということはない。それこそ、メールのやり取りでできるということであり、それ以上に、
「プロフィールを登録することで、相手の情報も分かり、自分の気に入った相手と仲良くなれる」
というのが、最大の魅力だったと言えるのではないだろうか?
実際に、サイトで、会員登録をして、そこでプロフィールを入力し、最低限の情報。
つまり、
「住んでいるところはその地域。年齢も、〇〇歳代と言った、アバウトな情報でいい」
ということだ。
そして、そこで発生するお金は課金と言われ、
「プリペイド形式」
ということなので、客は安心するということになっている。
しかも、
「一回のメールの送信や、相手からのメールを見る」
という場合の課金として、数円ということなので、少々のやり取りをしても、数百円くらいのものという安心感があった。
それに、
「数回のメールのやり取りくらいで、すぐに仲良くなって出会えるさ」
という思いが男の側になるのだ。
それこそ、
「テレクラの乗り」
というもので、テレクラであれば、相手の女性も、
「金が目的だ」
ということで、数を裁きたいという考えから、
「すぐに出会える」
という思いがあるからだった。
今回のメールを使った、
「自由恋愛」
という手口は、
「出会い系サイト」
と言われた。
実際には、まじめな、
「友達募集」
というようなサイトもあったので、それに紛れる形で、運営していたのだ。
当時は、チャットなどというものも流行った時代で、それこそ、
「出会い系」
と呼ばれるものが、いろいろと出てきた時代だった。
それだけ、
「ネットの普及によって、いろいろな金儲けの手段」
ということでのツールが形成されていったということであろう。
そこで出てきたのが、
「出会い系サイト」
というものだった。
これは、
「テレクラ」
とはかなり趣旨が違っていた。
「自由恋愛」
という触れ込みには変わりはないのだが、テレクラの場合は、
「店舗で電話を貸す」
ということで、
「出会うまでに、課金は一切ない」
といっていいだろう。
出会ってからは、交渉次第ということなのだろうが、少なくとも、個室のレンタル料以外のものはかからなかった。
しかし、
「出会い系サイト」
というのは、
「一通のメールがいくら」
ということで、やり取りの回数によって、課金額が違ってくるのである。
問題は、
「その額が少額だ」
ということだ。
つまり、
「少々であれば、お金を掛けてもそんなにかからない」
といってもいいだろう。
テレクラで、例えば、3千円をかけたとすれば、メール一通2円だと考えれば、
「1500通できる」
ということになる。
しかし、実際には、
「メールを開封して見る」
という場合は、
「一回10円」
ということで、徐々に進んでいくうちに、お金がたくさんかかる仕掛けになっているのだ。
だから、
「一人の相手とやり取りが多ければ多いほど、あっという間に数千円になるという仕掛けである」
へたをすれば、一人の人と、数千円など普通ということである。
相手も頭がいいもので、実際に登録をすればm
「1時間の間に、数十人の女性から連絡が入る」
というものだ。
男とすれば、プロフィールを載せているのだから、
「自分のプロフを見て感動してくれて連絡をくれた」
と思い込み。
「自分がもてている」
という錯覚に陥るというものだ。
「メールをくれたひとに失礼のないように」
ということで、くれた人には皆メールを一度は返すだろう。
それだけでもかなりの課金になるわけで、そこからやり取りが始まると、どんどん課金が増えてきて、実際に、
「課金が増えてきた」
という意識があっても、男とすれば、
「もう少し連絡を取り合えば、出会える」
とばかりに、
「あと少しなんだ」
と考えて、課金を続けてしまう。
そうなると、深みにはまっていくということになるのだ。
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