タグにあるとおり、サイコホラー。けれど、その一言だけでは、この作品の不気味さと魅力を取りこぼしてしまうように思いました。 読みながら何度も、これはいったいどんな感情なのだろう、と考えました。 分かりそうになるたびに別の可能性が浮かび、どれかひとつの言葉には落ち着かない。それなのに、ただ不可解なだけではなく、そこに何かがあると思わせるだけの説得力がある。 あと少しで言葉にできそうな、その絶妙な距離感がとても好きでした。 読み終えてなお、まだ考えてしまう作品です。
推し活をする女性とそんな女性を溺愛し支えてくれる旦那さんによる微笑ましいお話……と思いきや、読了後には「怖っ」となりました。よくみたらタグに「サイコホラー」って書いてある。そうなんです。サイコホラーなんです。よくよく読み返してみれば、その片鱗はあったのですが、「微笑ましさ」が勝って見逃してしまいます。未読の方はぜひお手に取って、ほのぼのからサイコホラーへ変貌する恐怖を味わってみてください。
ただのほのぼのとした推し活夫婦モノかと思いきや、中盤からの急転直下で極上のサスペンス&サイコホラーへと変貌する構成が完璧です。妻の趣味を全力で全肯定しているように見えた夫の優しさが、実はすべて「妻を完璧なファンに仕立て上げ、自分が彼女に成り代わるための計画」だったという歪んだ執着。その異常なまでの愛の重さに、最後までゾクゾクとさせられっぱなしでした。