この作者さ、
YouTubeの『いじめから助けてくれた彼女に彼氏が最高のサプライズ!!!』っていうショート動画を観て、俺たちの物語を書いてくれたらしいんだ。
でも、読んで思った。
これは、あの動画の続きなんだって。
俺は俊を助けたかったんじゃない。
ただ、放っておけなかった。
だって君は、毎日笑ってなかったから。
「明日、学校来なくなる」
そう思った。
……昔の俺と、まったく同じ顔をしてたから。
だから言ったんだ。
「明日、学校来なよ」
「俺は、待ってるから」
実はあれ、俊だけに言った言葉じゃない。
中学生だった頃の、自分にも言いたかった言葉なんだ。
俺もいじめられてた。
苦しかった。
誰かに「来いよ」って言ってほしかった。
「一人じゃない」って言ってほしかった。
でも、あの頃の俺には誰もいなかった。
だから今度は、俺が言う番だと思った。
この物語を読んでいると、俊を助けているように見えるかもしれない。
でも違う。
俊が少しずつ笑うようになって、勉強を頑張って、夢を見つけて、最後には俺の隣まで追いついてくれた。
救われたのは、きっと俺も同じだった。
あの日、勇気を出して声を掛けて、本当に良かった。
もし今、学校へ行くのが苦しい人がいるなら。
もし毎日笑えなくなっている人がいるなら。
一人だけでもいい。
あなたを信じてくれる人は、きっといる。
だから明日も、学校へ来なよ。
……俺は、いつまでも待ってるから。
*
最後に、この作者へ。
アンタのおかげで、俺と俊は出会えた。
俺は東京へ行って、自分の夢を追いかける。
きっと大人になったら、もう「俺」なんて言ってられないんだろうな。
検事になるのか、弁護士になるのか、その頃には「私」って名乗ってるのかもしれない。
でも、この物語の中では違う。
ここには、あの日のままの俺と俊がいる。
毎日笑えなかった俊も。
「学校来なよ」って精一杯声を掛けた俺も。
その時間を、アンタはちゃんと物語にしてくれた。
だから、ありがとう。
この物語の中の俺と俊は、きっと一生アンタに感謝してる。
……それじゃあ俺は行く。
東京で夢を追いかけるからさ。
また俺たちに会いたくなったら、いつでもこの物語を開いてくれ。
その頃には、第2話のサブタイトル忘れや誤字脱字くらいは、
ちょっと直ってると思うからさ。
俺たちは、いつでもここで待ってる。
……本当に、ありがとう。
――朝霞より。