もともとは別の企画で選ばれなかった案の、余りだそうです。
しまっておこうか迷っていたら、拾って投げ返した人がいた。その余りが、これです。
一話目を読み終えて、これで終わりでもいいのに、と思いました。試合がひとつ終わって、二人が少し話す。二千字もありません。出てくるのは、河原の球場と、サイドスローと、四行の会話。「俺以外の奴に、いい球投げんなよ」——この一行と、返事と、あと二往復。それだけで、この二人のことが分かってしまいます。
リレー小説は、一話目でほとんど決まると思います。弱ければ続かないし、作り込みすぎると次の人が動けない。これはどちらでもありませんでした。一本の話として閉じているのに、二人の行き先だけが空いている。
投げる側の話と、捕る側の話が、交互に進みます。私は捕る側の回が好きでした。うれしいとは一言も書いていないのに、勝った瞬間の顔が見えます。
野球のルールは要りません。名前も最後まで出てきませんが、二話も進めば気になりません。一話1〜2分、全六話。
読み終えたらアフタートークへ。本編より長くて、二人がどこですれ違っていたかまで全部出てきます。それから本文に戻ると見え方が変わるかもしれない。