明智先生、また見つけました。
江戸川乱歩の世界が、ここにもありました。
タイトルを見たときは、「トロージャン」と「ソファ」という組み合わせに首をかしげたのですが、読み進めるうちに、その違和感こそが物語の入口だったのだと気づかされます。
奇妙で、不穏で、どこか現実が歪んでいくような感覚。
まるで乱歩作品を初めて読んだときの、あの胸のざわめきを思い出しました。
とりわけ「ソファ」という存在が醸し出す不気味さには、思わず「これは令和の『人間椅子』では……?」と身を乗り出してしまいました。
もちろん単なる焼き直しではありません。
現代ならではの感性と発想で再構築された「奇妙さ」が、この作品には息づいています。
怪奇、幻想、不条理――それらが絶妙なバランスで混ざり合い、「次は何が起こるんだろう」とページをめくる手が止まりませんでした。
明智先生ならきっと、「小林君、奇怪な事件というものは、案外こんな身近なところから始まるものだよ」と微笑むでしょう。
乱歩がお好きな方なら、きっとこの作品にも心をくすぐられるはずです。