婚約破棄をきっかけに、辺境の薬草研究院へ向かったミリィア。
薬草と毒草を愛する彼女が、治癒師のアッシュと出会い、様々な謎に関わっていくファンタジーです。
【薬草と毒草になると一直線】
とにかく薬草や毒草が大好きなミリィア。
珍しい植物を見つければ寄り道し、毒の調査となれば自分の身体で試そうとすることも。
豊富な知識と記憶力は頼もしいけれど、側にいる人はひやひやしてしまいます。
そんな彼女らしさと、周りとの掛け合いが楽しいです。
【少しずつ変わっていく二人】
ミリィアを何かと気にかけるアッシュ。
一緒に謎を追いかける中で、ミリィアを見る目も少しずつ変わっていきます。
でも、ミリィアは相変わらず薬草第一で⋯⋯。
二人の温度差も含めて、これからの関係が気になります。
薬草や毒草をめぐる謎と、少しずつ変わっていく二人の関係。その両方を追いかけてみたい方へ、オススメの物語です。
婚約破棄を“僥倖”と受け止めるミリィアの価値観がまず痛快で、毒草と薬草に人生を捧げる姿勢が物語の芯を形づくる。
辺境の薬草園で静かに研究に没頭するはずが、道中で出会った青年アッシュとの縁が、彼女の隠居計画を思わぬ方向へと揺らしていく。
毒物への深い知識と、見たものを忘れない異能。
ミリィアの“研究者としての強さ”が、王妃の体調不良や過去の事件に潜む古い陰謀へと自然に繋がっていく展開は読み応えがある。
恋を後回しにしてきた彼女の揺らぎもまた静かで、毒草の香る温室から始まる知性派令嬢の謎解きは、淡々とした筆致の中に確かな熱を宿している。
婚約破棄をきっかけに、王都を離れて辺境のフェリカ薬草研究院で働くことになった男爵令嬢ミリィア。
並外れた知識と記憶力を持つ彼女は、治癒師の青年アッシュと出会い、薬草や毒をめぐる事件に関わっていくことになります。
薬草や毒草の知識を活かした謎解きが魅力的で、なにより薬草を前にして目を輝かせるミリィアがかわいらしいです。
そんなミリィアを心配しながらも、彼女の能力に興味を持つアッシュとの関係も見どころ。
少しずつ距離が縮まっていく掛け合いは微笑ましく、軽快なテンポが物語の読みやすさにも繋がっていると感じました。
集団中毒事件からミリィアの両親の死へと繋がる謎が提示されており、ほのぼのとした薬草研究だけでは終わらない、ミステリー要素のあるファンタジーとしての展開も楽しむことができます。
まだ序盤を拝読したうえでの感想にはなりますが、薬草や毒をめぐる物語はもちろん、二人の関係がどのように変化していうのかも楽しみな作品です。