まったく予想していなかった展開でめちゃくちゃ驚きました。とても面白かったです…!
本作の主人公である『僕』は、田舎の病院の受付で働いていた。ある日、二十代くらいの若い女性がこう尋ねてきた。
「イソザキカオルさんは、いらっしゃいますか?」
彼女が面会目的に病院を訪れたのだと思った主人公は、詳しいことを訊いた。しかし、返ってくるのは曖昧な返事のみ。彼女が言うには、イソザキカオルの親族でも友人でもないそうだった。
それから、数人の人間がイソザキカオルを探して病院にやって来た。イソザキカオルは認知症で知り合いなどもいなかったはずなのに、なぜ——といったお話です。
とても恐ろしいお話でした。物語の始まりから謎の男、イソザキカオルをめぐって色々な考察をしながら読み進めていったのですが、最後のホラー展開には背筋が凍りました。
流血表現や肉体損失の描写などはありません。それでも、物語は静かに、されど恐ろしく展開されていくのです。物語は次第に盛り上がっていき、最後の最後で、一気に恐ろしい展開になる。それが非常に面白かったです。
ただでさえ、作者の香森さまがとても丁寧にわかりやすく書いてくれている本作ですが、解説もありますので、どんな方でも絶対に楽しめる一作となっております。おすすめです。ぜひ、ぜひご一読ください!!