幻想的な世界観の中、「心を持たないはずの星姫」が感情を取り戻していく過程が丁寧に描かれた作品でした。
人々を魔物から守る存在である「星姫」の星花が鬼の少年・遥と出会ったことをきっかけに、閉ざされていた心が少しずつ開かれていきます。
文章がとても読みやすく、物語の世界へ自然に入り込むことができました。
特に印象的だったのは、星花の心の変化が文章を通して少しずつ伝わってくるところです。
最初は淡々としていた彼女の視点が、遥との出会いによって少しずつ柔らかくなり、同じ景色でも感じ方が変わっていく。
その過程が優しい言葉選びで表現されていて、読んでいるこちらまで温かな気持ちになりました。
星空や月の美しい描写と、心の温かさを感じる物語が魅力的な、優しい余韻を残してくれる一作です。