もし、自分の元恋人が逃走中の強盗犯としてニュースに映っていたら――。
しかも翌朝、その事件がきれいさっぱり消えていたら?
ごく普通の会社員・舞がテレビで目にしたのは、中学時代に付き合っていた晃の姿。
ところが翌朝になると、その事件のニュースはどこにも見当たりません・・。
消された事件。姿を変えた元彼。権力による隠蔽の気配。
そして舞の推理は勢い満点。行動力も満点。
謎を追う展開にはサスペンスらしい緊張感がありつつ、舞の勢いある推理にはどこか危なっかしさもあって、先が気になって止まりません。
消えた事件の真相とは何なのか。
舞だけが知る「私だけの事件」を、ぜひ最後まで一緒に追ってみてください。
人間は、「見たいもの」しか見ない特質ある生き物である。
だから、こと他人を巻き込むような判断を下すときは『タテ・ヨコ・算数』でものを見ろ。
……学校の先生からはそんなことを習いました。
ようは、思い込みだけで行動せずに数字を見て確証を得てから色々やりなさいと。
こう言うことだと思う。
言うは易しだがこれが結構難しい。数字を見るなんて言ったってやり方がわからない者だから。
だから人間は安易な方向に流れていく。つまり見たいものしか見ないし、信じたいことしか信じないし、思い込みだけで行動した結果、他人から距離を置かれるのだ。
マクラが長くなりましたが、
物語の主人公は、疲れて酔ってて意識が朦朧としている中、中学生時代交際関係にあった男性が、強盗犯であることを知ってしまいます。
そのニュースは次の日の朝には綺麗さっぱり、何もなかったかのように消えてしまいました。
それは、犯人である男性の親が権力を持った方で、息子の悪事を隠蔽したからだ……。
彼がこれ以上の悪事を重ねないようにするには自分が説得するしかない!
なんて、とんだジャンヌダルクが誕生しちまったわけですけれども。
事件は、意外な真相が待ち受けているのと……
ああ、こう言う人がミームにされんだナァ……と教訓めいたものまでいただけるお得な本作品。
長さもちょうど良くサクッといただけます。
ぜひ、ご一読を。
………
最後にね、スタンガン怖いからほんと! 免許制にしてほしい!!
中学の時の彼氏が強盗をしたのち逃走している
今では途切れた関係
それでも
「私が助けなくては」
そんな気持ちが行動を支配する
事件を隠すかのように報道は消え
何か見えない力が働いている気がする
「私が助けなくては」
誰か事件を知っている人はいないのか
「私が助けなくては」
彼の父親はたしか……
「私が助けなくては」
これ以上罪を重ねさせてはいけない
「私が助けなくては」
「私が助けなくては」
中学時代の彼氏に関するニュースを見たことから始まるミステリー短編です。
多くは語れませんが、短編でありながらもきちんとミステリーのかけらが散りばめられています。
読み終えた時、作者様のミステリー力を知ることになります。
是非あなたの慧眼で本作の真実を見抜いてみてはいかがでしょうか。
パズルのピースだけがカチリカチリとハマっていく……ように見えてならない。
こうなってくるともう、真相を確かめないではいられなくなる。
主人公の大杉舞は、深夜にテレビをぼんやりと見ていた。その途中で高校時代の同級生である「柴田晃」の姿が出てくるが、どうも凶悪犯として追われているらしいとわかる。
眠気に勝てずに最後までは見ることが出来なかったが、翌日になるとなぜか事件の報道がなされていない。
一体何があったのか?
柴田がなんらかの犯罪を起こしたに違いない。それなのに世の中では事実が取り上げられずに終わっている。
なんらかの陰謀なのか。権力者が事件を揉み消すことなどが行われたのか。
かつての友人の証言や、柴田晃との関連が疑われる人物の存在など、不穏なピースが現れては「一つの絵」を作り出していってしまう。
舞と同じに「事実」の数々を見ていくことで、読者としても「柴田晃に一体何があったのか」と真相が気になってならなくなります。
イメージされた「真相」を裏付けるようなピースの数々。それを提示され続けることで、「闇の奥へ」と向かわずにいられなくなる。
そして、最後に示された真実は……。
読み終えて「なるほど!」となると共に、舞と一緒に完全に深みというか「ぬかるみ」に嵌まってしまっていたことを自覚させられました。
スピード感もあってぐいぐい引き込まれ、ラストでニヤリとさせられる。そんな充実感を与えてくれる作品でした。
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