千年以上を生きてきたアルシャと、ぶっきらぼうなオルトラ、穏やかなクルアハ。
質問を止めないアルシャへ「いったん黙れ」と返すオルトラ、その言い方をたしなめながら優しく誘うクルアハ。
クルアハに抱かれて甘えるアルシャと、それを悪態交じりに眺めるオルトラのやり取りは、読んでいるだけで頬が緩みます。
最初の二人は、行き場のないアルシャに「足となる」と手を差し伸べる旅の同行者でした。
やがてクルアハは抱っこや寝床を整えることで安心を与え、オルトラは義足を作り、厳しい言葉で歩く勇気を引き出します。
優しさの形が正反対なのに、どちらもアルシャを前へ進ませているのが素敵です。
アルシャも二人に守られるだけでなく、傷や痛みを理解し、オルトラの魔法を好きだと伝え、帰る場所になっていきます。
旅の仲間だった三人が、抱き、叱り、守り、迎えに行くことを重ねて家族になる。
その過程こそ、この物語で最も愛おしい魅力だと思います。