最初は、氷に覆われた星の地下都市で生まれた双子のお話なのかな、と思って読み始めたのですが、気づけば星そのものの秘密にまで連れていかれていました。
この作品、世界観の広がり方がとても不思議です。地下都市、忘れられた地上、巨大な穴、植物の声、そして星の奥にある別の世界……と、読んでいるうちに「えっ、まだ奥があるの?」と何度も驚かされます。童話のようなやさしい雰囲気もあるのに、扱っているものは星の運命や種族の歴史で、スケールがとても大きいです。
特にタルカが気になります。まだ少年らしい頼りなさもあるのに、植物と心を通わせる特別さがあって、怖い場所へ進んでいく姿にハラハラします。コルルやワワたちの地に足のついた調査と、タルカの幻想的な冒険が同時に進むのも面白いです。
かわいい名前や不思議な生き物に油断していると、急に宇宙規模の謎が出てくる作品です。ゆっくり読んでいるつもりが、いつの間にか星の行方を一緒に心配していました。
このお話は、温厚で高度な感覚器官を持つ旧人類の祖先にあたる存在が暮らす惑星を舞台に、星そのものの破滅に迫られながら真相へ近づくお話です。彼らはかつて地上の争いを避けて地下都市へ移住していましたが、謎の衝撃をきっかけに気候が乱れてしまいます。地表の都市跡は瓦礫となり、惑星の軌道も恒星への衝突に向けてずれていることが判明してしまいます。彼らは地上調査中、別の種族に襲われて仲間と離別してしまいますが、植物に導かれとある地にたどり着きます。一方、地下調査隊は未知の物質に満ちた最深部で崩落に遭い、隊の一部が閉鎖空間に取り残されてしまいます。そんな中、植物に導かれた一人は巨大な植物から、この惑星が別宇宙の先住民に造られた人工惑星であり、別の種族の巨岩攻撃が軌道を狂わせたこと、そして星を救う鍵が自分にあることを知らされます。さあ、彼らは破滅から逃れることが出来るのか。続きが気になります。
諸君——我々は今、未知なる地下世界の最深部へと足を踏み入れた。『惑星保護区』。そこには常識では説明できない謎が、次々と我々を待ち受けている……!
光を吸収する謎の空間、そして地上では行方不明となった仲間をめぐる緊迫した状況。さらに我々の前に姿を現したのは、まさかの“喋る植物”! しかも、さらなる未知の領域へと我々を導こうとしている。
次から次へと「これは一体何なんだ!?」が襲いかかる。まさに未知への探検そのものだ!
果たして“限定地”とは何なのか——。
そしてタルカは無事に帰還できるのか。
調査はまだ終わらない。
次回、さらなる謎の核心へ——我々は生きて帰れるのか!?
星の崩壊と王族誕生という「生と死」の対比から始まる怒涛の展開、白銀の皮膚やウゲルカ器官といったムカーク族の独自設定が良きで、地下都市の情景や未知の地上調査における緊張感が生き生きと伝わってきますね。
特に、平和を望みながらも過酷な環境へと追いやられる彼ら、不気味に忍び寄る「星の異変」という不可避な絶望の描き方が見事でした。双子の誕生と共に放たれた「エムルマの光」という謎が、滅びゆく世界の中でどのような希望、あるいは更なる波乱?絶望?を巻き起こすのでしょうか。
滅びのカウントダウンが進む中、彼らが手にする結末は一体どのようなものになるのか。