第一話を読み終え、まず感じたのは
『世界観』ではなく、
『アリアという少女そのものに惹かれた』と言う事でした。
人の匂いが嫌いという冒頭から始まり、
干し肉を噛み続ける理由や、
人との距離の取り方、父を探し続ける日々。
その一つひとつの行動が
アリアの孤独や不器用な優しさを伝えてくれます。
特に印象的だったのは、
父の棚に少しずつ自分の持ち物が増えていく場面です。
失われた時間の長さと、それでも
帰りを待ち続ける気持ちが、
静かに、強く胸に響きました。
「父の棚は、七年かけて軽くなった。」
やられました、強いです……卑怯です。
……また、灰の降る風景や
森の描写には独特の雰囲気があり、
どこか寂しく美しい世界観を感じます。
それでいて説明過多では無く、読み手側に
『もっと知りたい』
と思わせてくれるバランスが絶妙でした。
終盤も緊張感のある展開で
最後の「おなかすいた」の一言で
空気が一変する締め方も見事ですし
思わず、クスっと笑ってしまいました。
静かな導入の中に、確かな物語の力があり、
これからアリアと少女がどのような旅をしていくのか
続きがとても楽しみになる一話でした。