夏祭りの夜、何も言えなかったことを心に残したままの少年。もう一度会いたい。今度こそ、自分の言葉で伝えたい。その気持ちに気づき、迷いながらも自分の意志で一歩を踏み出していく姿が心に残りました。まだ少年だからこその不安や危うさもあるけれど、それでも会いに行こうとするまっすぐな想いが切ないです。夏の空気や夕暮れの景色とともに、少しずつ形になっていく恋心が丁寧に描かれていました。言えなかった想いが「決意」に変わるまでを描いた、青春の切なさとまっすぐさが残る物語です。
私たちは、話すことを当たり前として受け取っていてその価値に気づいていない。できることが増えるにつれてそのどれが大事かが、一致しづらくなっていて…このお話は少し前の価値観が一致することの素晴らしさがあった時を感じさせてくれました。
偶然に一目であっただけの相手のことが忘れられず。その相手が、長い距離を超えて自分のもとへと来てくれた。その想いが、また遠くへと引き離されてしまった時。彼の想いが叫ぶように激しく爆発する。人はここまで一途な想いを持つことができるのか。『恋詩曲』クライマックスの裏側にあった、もう一つの、切ないほどに純粋一幕。